
英語を学んでいると、そんなの昔から知っていますレベルのシンプルな単語でも、組み合わされることで全く初めて知る深い意味を持つ表現に出会うことがあります。単語が易しいい分、ついつい見過ごしてしまったり、わかったつもりでいたり...
このブログでは、私が出会った小さな疑問や“気になる英語表現”を、立ち止まって勉強し、皆さんに共有してもらっています。
今日も前回のブログ “put O out of:意外な場面での使われ方、まとめました。” に引き続き、昨今のインフレの影響で運営が難しくなってきた缶・ボトル飲料の自動販売機ビジネスの現状を、The Asahi Shimbun・“Tough times for Japan’s vending machines as drink costs rise” で読み進めていきます。
記事によると、全面的な物価高と人手不足により自動販売機の数を大幅に減らしたり、自動販売機ビジネスそのものから撤退する企業も現れ始めました。
大阪に本拠地を置くDyDoホールディングもその一つ、採算の取れていない2万台の自動販売機を削減することを発表しました。
そして、続く会社幹部の言葉に今日の勉強がありました。
A company official said reducing the number of machines would be one step toward stopping the flow of red ink.
“the flow of red ink”?
飲み物の話なのにいつの間にか”インク”の話?
ハイハイ、どーせ”イディオム”ですよね。
面倒くさいけど、頑張って調べますか
では、少々お待ちを。
直訳すると「赤いインクの流れ」
赤いインクが垂れている様子を想像するとそれっぽい雰囲気がしますが、これは決してホラー映画の話ではありません。
実は、企業の経営状態や国の財政に関わる、非常に重要(ある意味少し恐ろしい)意味を持っていました。
今回は、このイディオムの意味や語源、詳しく解説します。
1. 「the flow of red ink」の意味とは?
結論から言うと、the flow of red ink は、「莫大な赤字」や「止まらない損失」を意味します。
単に「赤字(deficit / loss)」と言うよりも、インクが流れ出している(flow)様子を表現することで、「損失が継続的に発生しており、歯止めがかかっていない状態」というニュアンスが伝わってきますね。
なぜ「赤」なのか?
日本語でも、利益が出ないことを「赤字」と言いますが、英語でも全く同じ感覚。
以下の対比が使われます。
- In the red:赤字である(借金がある、損失が出ている)
- In the black:黒字である(利益が出ている)
2. 語源:帳簿の世界から生まれた言葉
昔の会計士は、利益を黒いインクで書き、損失や負債を赤いインクで書き込んでいました。一目で経営状態がわかるようにするためです。もし帳簿が赤いインクで埋め尽くされ、それが次から次へと続いていくなら……それはまさに「flow of red ink(赤字の流れ)」。
3. 実際の使い方と例文
“The auto giant is struggling to stem the flow of red ink after its latest model failed to draw media attention.”
「その自動車大手は、最新モデルがメディアの注目を集められず、止まらない赤字を食い止めるのに苦労している。」
ここで使われている “stem” という動詞は「(流れを)食い止める」という意味で、flow と組み合わせた仕様が非常多く見られました。
“Many economists are worried about the flow of red ink caused by the increasing national debt.”
「多くの経済学者は、増大する国債による財政赤字の垂れ流しを懸念している。」
“The bakery finally closed its doors, unable to stop the flow of red ink.”
「そのパン屋は、赤字の連鎖を止めることができず、ついに閉店した。」
“stop“も”stem”と同様、一緒に使われることが多いようです。
今回の記事でも使われていますね。
それでは、”the flow of red ink” が持つ経営者の皆さんにとってはある意味ホラーなイメージをしっかり意識して、今日の文を訳していきます。
「自動販売機の数を減らすことは赤字の連鎖を止めることに繋がる、とある会社幹部は言う。」
「赤字」と言えば、”deficit”という単語が思いつきます。
They have a deficit.(赤字がある)
これが言えるだけでも十分かもしれませんが、
They are in the red.(赤字状態だ)
更に、They are facing a continuous flow of red ink.(絶え間ない赤字の流れに直面している)
なんて言えたらきっと、より「ビジネスに精通したプロフェッショナル」な印象を与えられますよね。
今日の勉強はここまで。
次に経済ニュースを見たときは、ぜひ「赤いインク」が流れていないかチェックしてみてくださいね。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.