
前回のブログ “fall out of favor:いったい誰の”favor”か?” では、AIなど科学技術が発達した現代においても、捜査員自ら描いた似顔絵は犯罪捜査で重要な役割を果たしていることがわかりました。
The Mainichi・“Despite AI, hard-nosed detective work still key to solving crimes” によると、AI作成の画に比べると正確性には劣るけれど、特徴を捉えたスケッチは見た人の記憶に残り犯人逮捕に繋がりやすいそうです。
この記事の冒頭で紹介されていた車上荒らしの事件の場合でも、こうした手描きのスケッチが捜査員の記憶に残り犯人検挙に繋がりました。
そしてその逮捕の様子の説明の中に今日の勉強がありました。
In the case of the Handa vehicle break-ins, the thief was caught red-handed.
「警察だ!動くな!……って、えっ、手が真っ赤!?」っていう状況ですね。
「赤いお手手で捕まった」……??
直訳すると「泥棒は赤い手で捕まった」。 え、待って。犯人の手が真っ赤だったってこと? ペンキ塗りたての車に侵入して塗料がついちゃったのでしょうか? それとも血塗られた手? あるいは単に犯人の血行が良かっただけ??
一度引っかかると Google の検索窓を叩き割る勢いで調べたくなるので、さっそく辞書とネットの海へダイブして、この不気味でポップな表現の正体を解き明かすことにしました!
「赤い手」の正体とは?
結論から言うと、この「赤」の正体は「血」です。
昔々、密猟や家畜の盗難が横行していた時代。犯人が「通りかかっただけです!」とすっとぼけても、手に倒した動物の血(赤)がべったりついていたら、言い逃れできませんよね。
この「手に証拠(血=赤)がついたまま現場で押さえ込まれる」という状況から、
“catch someone red-handed” 「〜を現行犯で捕まえる」「悪事の現場を押さえる」
という意味になりました。
つまり、冒頭の英文はこういう意味だったわけです!
「半田市の車上荒らし事件において、泥棒は現行犯で逮捕された。」
犯人が実際に手を赤く染めていたわけではなく、「まさに車を物色して盗みを働いているその最中に、警察に取っ捕まった」という意味だったんですね。
日常生活で目撃される(身近な)red-handed 現場集
元々は血なまぐさい場面から生まれたこの表現ですが、今回の使用例のように“血”が滴らない時でも使われるようになり、そして今では事件ニュースだけでなく、私たちの日常にある「あっ!今やってたでしょ!」という言い逃れ不可能な現場でも大活躍しています。
日常の例文をいくつかイメージしながら見ていきましょう!
1. 深夜のキッチン、光る冷蔵庫
“I caught my husband red-handed eating the last slice of cake at 2 AM.” (午前2時、最後のケーキを食べている夫を『現行犯』で押さえました。)
暗闇のキッチンで、冷蔵庫の光に照らされながらケーキを頬張る夫。口元に証拠がついた完全な “red-handed” 状態です。
2. ダイエット中の「口元の証拠」
“She claimed she was on a diet, but I caught her red-handed with chocolate all over her hands.” (彼女はダイエット中だと主張していたが、手がチョコレートだらけの『現行犯』の現場を押さえてしまった。)
「何も食べてないよ!」と言い張りながら顔にバッチリ証拠が残っている、”chocolate-handed” 的状況です。
3. カンニングの瞬間
“The student was caught red-handed using his smartphone during the exam.” (その生徒は試験中にスマートフォンを使っているところを『現行犯検挙』された。)
机の下でコソコソ画面をフリックしていたら、後ろに先生が立っていた時のあの絶望感。まさに “caught red-handed” ですね。
4. SNSで
She was caught red-handed editing her “just woke up” selfie for 20 minutes. (「寝起きです♡」自撮りを20分かけて加工しているところを現行犯で見つかった。)
5. 仕事してるフリ
I caught him red-handed switching tabs from shopping to spreadsheets the moment I walked by. (僕が通りかかった瞬間、ショッピングサイトからスプレッドシートに切り替えて“仕事してるフリ”しているところを現行犯で見つけた。)
この先「現行犯」で見つかったときはこの表現を思い出すようにしたいと思います、いやその時はそんな余裕ないか。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.