
皆さんは英語の勉強をしていて、「使われている単語は全部めちゃくちゃシンプルなのに、合体した途端に全然違う意味になる言葉」に出会ったことはありませんか?
今回ご紹介するのは、まさにその代表格。
知っているなんてレベルじゃすまされない、中学校の最初期に習う超基本単語 「know(知っている)」、「it(それ)」、そして「all(すべて)」。
これらがハイフンで結ばれて一つの言葉になった、「know-it-all」という表現です。
この単語に出会ったのは、昨日から読み始めた、The Asahi Shimbun・“Storyteller spreads message of peace through ‘rakugo’ comedy” の中でした。さっそくその箇所を確認しましょう。
昨日のブログ “commit to memory:「結果」でなく「記憶」にコミットする” から、落語家の三遊亭竜楽さんが、世界各地で落語公演をするようになったきっかけを読んでいました。
イタリアで行われた「日本フェスティバル」に招待され落語を披露するよう依頼された竜楽さんは、せっかくだからと演目をイタリア語でやろうと必死にイタリア語の翻訳を暗記します。
しかし、全ての”お噺”は覚えきれず、いくつかは日本語での落語になり、その中の一つが「ちりとてちん」でした。
そして、その「ちりとてちん」のあらすじの説明に今日の勉強がありました。
One of the titles spoken in Japanese was “Chiritotechin,” in which a know-it-all is tricked into eating rotten tofu.
“know-it-all” 「それをすべて知っている」?
“a” が付いているからこれは名詞なのは分かりますが、それ以前にこの3語が一つの単語になること自体がまずビックリ!
単純に「全てを知っているモノ、人」って意味なのでしょうか?
きょうはこの “know-it-all” を深掘りします。
1. 「know-it-all」の本当の意味とは?
「すべてを知っている」のだから、なんだか「もの知り博士」や「生き字引」のような、ポジティブで知的なイメージを抱くかもしれません。しかし、実はこれ、100%と言っていいほど「ネガティブなニュアンス」な言葉で、日本語で言うところの「知ったかぶり」や「知った風な口をきく人」、あるいは「何でも自分が一番よく知っていると思っている嫌なやつ(うぬぼれ屋)」を指す名詞でした。
2. 日常会話での使い方
基本的には名詞として使われますが、時に形容詞的に(名詞の前に置いて「知ったかぶりの~」として)使われることもあります。
A: “I can’t stand working with Ken anymore. He always interrupts me to correct my grammar or tell me how to do my job.”
「もうケンと一緒に働くのは耐えられないよ。いつも僕の文法を訂正したり、仕事のやり方を指示したりして割り込んでくるんだ。」
B: “I know. He is such a know-it-all. Nobody likes asking him for help.
「本当よね。彼、本当に知ったかぶりの自惚れ屋だから。誰も彼に助けを求めたいなんて思わないよ。」
A: “Actually, that’s not how you cook pasta. If you want to do it right, you should—”
「実は、パスタの茹で方はそうじゃないんだよ。正しくやりたいなら、こうすべき――」
B: “Alright, Mr. Know-it-all. I’ve been cooking this for years, okay?”
「はいはい、何でも知ってる物知り博士さん。私、これ何年も作ってるんだけど?」
* 男性に対しては “Mr. Know-it-all”、女性に対しては “Ms. Know-it-all”(または “Miss Know-it-all”)、「はいはい、物知りさん」あたりに強烈な皮肉を感じますね。
“I hate his know-it-all attitude.”
「彼のあの知ったかぶりな態度が大嫌いだ。」(形容詞)
3. もし「本物の物知り(ポジティブ)」と言いたい時は?
では、皮肉ではなく、「本当に何でも知っていて頼りになる人」を褒めたい時はどう言えばいいのでしょうか?
ついでに覚えて自慢しませんか?
いかんいかん!こういうのが “know-it-all” なんですね。
① walking encyclopedia(歩く百科事典)
これは何度も見たことがあります。
日本語の「歩く辞書」「生き字引」に一番近い、とてもポジティブな表現です。
“My grandfather is a walking encyclopedia when it comes to history.”
「私の祖父は、歴史のこととなるとまさに生き字引(歩く百科事典)だ。」
② brain / walking brain(頭脳明晰な人)
シンプルに「めちゃくちゃ頭が良い人」
“If you have questions about coding, ask Sarah. She’s the brain of our team.”
「コーディングについて質問があるならサラに聞きなよ。彼女がうちのチームの頭脳だからね。」
では “know-it-all” などと言われない程度に慎ましく今日の文を訳していきます。
One of the titles spoken in Japanese was “Chiritotechin,” in which a know-it-all is tricked into eating rotten tofu.
「日本語で披露したものの一つは、ある知ったかぶりが腐った豆腐を食べる羽目になった話、”ちりとてちん”でした。」
小学生の頃図書館からこの話を借りてきて読んだのを思い出しました。
「いや~面白い話ですよね、何が面白いって...」いけないいけない、また危うく”know-it-all” になるところでした。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.