
昨日のブログ “hard-nosed:「硬い鼻」もうこれしか思いつきません” では、結局見出しだけで終わってしまいました。
あらためて今日は The Maianichi・“Despite AI, hard-nosed detective work still key to solving crimes” を読んでいきます。記事はこう始まりました。
Around 6:30 a.m. on May 14, a detective was walking through Kanayama Station in Nagoya, central Japan, on his way to work.
「5月14日の午前6時30分ごろ、名古屋市の金山駅を、ある刑事が勤務先へ向かう途中で歩いて通っていた。」
次の瞬間...そこに今日の勉強がありました。
Suddenly he spotted a face in the crowd that resembled a person who had long been a thorn in the side of the Handa police department.
「群衆の中に、ある男の顔を見つけた。その男は、半田警察署の横腹(脇腹)に刺さったトゲだった人物に瓜二つだった。」
……横腹にトゲ?? 警察署という巨大な組織の脇腹に、チクッと刺さったトゲ。シュールすぎる。警察官たちが「ああっ!また横腹がチクチクする!あの犯人のせいだ!」と脇腹を押さえて悶絶しているのでしょうか。
いやいや、そんなバカな。 というわけで、気になったら夜も眠れなくなるタチ...でもないですが、辞書と英英辞典をひっぱり出してこの謎の表現を解き明かしてみることにしました!
トゲはトゲでも、どこに刺さっている?
バラの綺麗な花を摘もうとして指にトゲが刺さるだけでも痛いですよね。でも、これが指先ではなく「脇腹」だったらどうでしょう?
最近は皮下脂肪を積極的に付けるようにしていますので(物は言いよう)、だいぶましかもしれませんが、それでも歩くたびにズキッ、 服が擦れるたびに「痛っ!」
命に関わる大ケガではないけれど、抜かない限りずーーーーーっとイライラするし、集中できないし、地味にストレスが溜まり続ける……。
そう、この感覚こそが、このイディオムの本質!
“a thorn in the side”(または a thorn in someone’s side / flesh):「目の上のコブ」「絶え間ない悩みの種」「厄介者」「目の敵」
となります。
つまり冒頭の英文の意味はこうなります。
「突然、彼は群衆の中に、半田警察署にとって長年『長年の悩みの種(厄介者)』であった人物に酷似した顔を見つけた。」
警察にとって、捕まえたいのにあと一歩で逃げられたり、いつも小賢しい事件を起こして手を焼かせたりする「厄介な常習犯」みたいな存在だったわけですね!
日常生活で使える(かもしれない)例文集
実は聖書の時代にまでさかのぼるこのイディオム、古代の人々も、服の中に潜り込んだトゲや脇腹に刺さるトゲに悶絶していたんですね……。千年以上前の人も、現代の私たちも、「抜けそうで抜けないイライラする存在」に対する感覚はまったく一緒だったと思うと、なんだか急に親近感が湧いてきます。
そしてこれほど歴史のある由緒正しいこの表現は、警察と犯罪者の関係だけじゃなく、私たちの日常の「絶妙にイラッとする存在」にもバッチリ使えます。いくつか例文を見てみましょう。
1. 職場の「あれ」「あの人」
“Our rival company’s new product is a real thorn in our side.” (競合他社の新製品が、マジでうちの会社の「悩みの種」なんだよね。)
“The new intern is a thorn in my side; he keeps calling me “boss,” even though I’m definitely not. “(新人インターンが頭痛のタネだ。私は絶対に上司じゃないのに、なぜか毎回「ボス」と呼んでくる。)
悪気はないのかからかってるのか?
2. ダイエット中の「アイツ」
“Late-night snacks are a constant thorn in my side when I’m trying to lose weight.” (減量中、深夜の夜食がずっと私の「最大の敵(悩みの種)」なんだよ……。)
23時を過ぎたあたりで頭をよぎるポテトチップスやラーメンですかね。
3. 永遠に解決しない問題
“My neighbor’s loud parrot has been a thorn in my side for months.” (隣の人の声が大きいインコが、ここ数ヶ月ずっと悩みの種なんですよね。)
警察を呼ぶほどではないけれど、朝一番の「オハヨウ!オハヨウ!」に「キーーー!」
どうでしょうか?この絶妙なストレスの数々。
今日のブログを通して “a thorn in the side” の「不快感」が皆さまに伝わっていたら嬉しく思います。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.