
たまにリスニングの練習の為、映画の予告編を見ています。
先週何かいいのはないかとちょっとさがしたせいか、今週はもう次から次へとオススメがあがってきます。
今日ご覧いただくのは、ブラッド・ピットの新作「ハート・オブ・ビースト / Heart of the Beast」です。
元陸軍特殊部隊に所属していた退役兵の主人公ジェームズ(ブラッド・ピット)と元偵察犬で義足のオーディンは、飛行中のアクシデントによりアラスカで遭難してしまいます。
「彼らは生き延び、無事帰ることができるのか?」といったサバイバル映画です。
ではまずご覧いただきましょう。
今回私が引っかかったのは0:46辺りから始まる老人のセリフです。
そのセリフに繋がるジェームズと老人のやりとりはこうです。
オーディンの歯が義歯なのに気付いた老人がこう言います。
老人:「犬の口に銀のものが見えたが?」
ジェームズ:「敵にレンガでやられた」
老人:「脚もそいつにやられたのか?」
ジェームズ:「そうだ。」
そして今日の勉強となる老人のセリフです。
おそらくこういっていました。
“Hope you gave that fellow a piece of your mind.”
直訳すると「あの男に、あなたの『心の一部』をあげたことを願う」……?
ちょっと待って、これ恋愛映画だっけ?
それとも『心臓の一部』ってことでホラー映画?
それに字幕にはこうあります。
「その野郎には報いを受けさせたんだろ?」
謎は深まるばかり。
今回は、この一見ロマンス的でサイコパスな英語表現「give a piece of one’s mind」の真実を暴いていきます。皆さん一緒に!
Step 1:「piece of mind」で検索して盛大にトラップにハマる
まずはGoogleの検索窓に「piece of mind 意味」と打ち込んでみました。
そして行き着いたのは…… 「Peace of Mind=安心感、心の平穏」
……ん? 「安心をあげる」?
「あの男に心の安らぎをあげなさい」……? いやいや、大切な相棒の犬をひどい目に合わせたヤツにですか?
ここで私は重大な事実に気づきます。 「Peace(平和・安らぎ)」じゃなくて「Piece(一切れ・断片)」だ!!!
“piece of mind” がいつの間にか “peace of mind” に変わってました。
発音がまったく同じ(同音異義語)だから完全に引っかかっていました。 危うく「怒りの退役兵、実はめちゃくちゃ優しい説」を打ち立てて大誤解するところでした。
因みに “peace of mind” はこんな感じに使います。
“His words gave me peace of mind.” 「彼の言葉で心が落ち着いた。」
“I left earlier than pland for peace of mind. 「安心のため予定より早く出発した。」
Step 2:ついに発覚!「give someone a piece of one’s mind」の真実
気を取り直して「give someone a piece of one’s mind」で改めて辞書を引いてみました。
そこに載っていた日本語訳を見て思わず納得!
give someone a piece of one’s mind 意味:〜に説教する、〜にガツンと言ってやる、思い知らせる
ぜんぜん脳みその切り売りじゃなかった!! そして聖人でもなかった!!
この表現の成り立ちを調べてみると、非常に人間味あふれるニュアンスが隠されていました。
“mind” は「心、精神、思っていること」。 普段は理性のフィルターで隠している「自分の思っていること(mind)」の「一部(a piece)」を切り取って、相手の顔面に直接叩きつける。つまり、「溜め込んだ本音(怒り)をぶちまける」というイメージだそうです。
怒ってる雰囲気の単語は一語もないのに煮えたぎる心の状態が伝わる表現になっています。
つまり、予告編のあのセリフ: “Hope you gave that fellow a piece of your mind!” は、こう解釈するのが正解でした。
「そいつに、ガツンと言ってやったんだろうな?」
これだったら字幕のような翻訳になっても納得がいきます。
映画の文脈的にも完璧にスッキリです。
Step 3:日常で「ガツンと言ってやる」ための実践例文集
せっかくこの強烈な表現を覚えたのですから、私達もいつでも(心の中で)誰かにガツンと言えるように、日常で使える例文をマスターしておきましょう!
例文1:ダメなあいつにブチギレる
I finally gave him a piece of my mind when he was late for the third time this week.(今週3回目の遅刻をされた時、ついに彼にガツンと言ってやったわ。)
例文2:友達の背中を押して(焚きつけて)
“He’s been playing loud music all night!“(アイツ、一晩中大音量で音楽流してるんだぞ!)
“Go and give him a piece of your mind!“(行って、ガツンと文句言ってやりなよ!)
例文3:機械にだって言いたい時はある
I gave my Wi-Fi router a piece of my mind for dropping the connection. It responded by dropping it again. (Wi‑Fiルーターが回線を切ったのでガツンと言ったら、もう一度切ってきた。
※昨日の私です。
これで準備万端です。
公開は9月25日金曜日、ブラピを拝みつつ、勉強しましょう!お楽しみに!
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.