都内でITエンジニアとして働いていた頃の心境を、オカモトさんはこう振り返ります。

“I felt helpless, as if I was being consumed by city life as just another cog in society,”
「無力感を覚え、都会の生活に飲み込まれて社会の歯車の一つになっていくような気がした。」

そんなある日、本屋さんで”マタギに学ぶ登山技術”という本に偶然出会いました。

そして今彼は秋田でマタギをしています。

The Mainichi・“Man moves to birthplace of Japan’s ‘matagi’ hunters to carry on tradition” でオカモトさんのマタギとして生きる思いを読んでいると、記者が猟に同行する場面に今日の疑問を見つけました。

Slowly closing the distance to about 40 meters while concealing his presence, he took aim and pulled the trigger of his hunting rifle with an empty mind. 

「pulled the trigger(引き金を引いた)」+「with an empty mind(無心で)」…。

直訳しようとすると、「彼は『狙いを取り』、無心で猟銃の引き金を引いた」となります。

『狙いを取る』って、もしかして『狙い定める』ということなのかな?」

確認程度に調べ始めたら、色いろ新たな発見、気付きがありました。
今日はそれらをみなさんと共有したいと思います。

take aim 「狙いを定める」

調べてみるとやっぱり案の定な意味でした。

ですが、ここでふと思いました。

「狙う」なら “aim” だけでよくない?

そもそもなぜ「take」を使うの?

考えてみれば、 take a look「見る」、take a walk「散歩する」、take a break「休憩する」など、 take + 名詞 という形のフレーズはたくさんありますよね。

例えば、”walk” と “take a walk” で考えてみましょう。
動詞”walk”で済むところを わざわざ “a walk” と一塊の名詞にすることで、その動作をひとまとまりの「体験や時間」、一つの固まった「プロセスを含む体験・状態」として感じれるようになり、“take”「自分の意思で取る」というニュアンスが生まれます。

  • I usually walk to school.(私は普段、学校へ歩いて行きます。)→ ただ「歩いて移動する」という動作事実・結果が主に伝わるのに対し、
  • I need to take a walk to clear my head.(頭をすっきりさせるために、ちょっと散歩してくるよ。)→ 目的地に行くためではなく、「自分の意思で散歩の時間・体験を味わう」 、場面によっては「その時間を確保して楽しむ・こなす」といった感じが出てきます。

take + 名詞 の形にする最大の理由、それは、「その動作を一つの固まった『状態・体験・プロセス』として捉え、自分の意思でガシッと手元に取りに行く」 というニュアンスのためでした。


それでは話を “aim” と “take aim” に戻しましょう!

He aimed at the target and shot.(彼は標的を狙って撃った。)→ 「標的に向きを合わせた」という動作の事実を淡々と説明しています。

それに対し、”aim” を「時間やプロセス」を含む一つのかたまりととらえることで、

He took aim at the target and shot.(彼は標的にじっくりと照準を合わせ、撃った。)→ 撃つ直前に静かに息を殺し、集中して照準をピタリと重ね合わせる一連の動きが感じられます。

“take aim” を使った例文

ではさまざまな場面で使われる “take aim” を見ていきましょう。

He took aim at the target and held his breath. 「彼は的に向けて構え、息を止めた。」

She took aim before releasing the arrow. 「彼女は矢を放つ前に構えた。」

日本語同様、take aim は「狙いを定める」「ターゲットを決める」という比喩にも使えます。

The company took aim at expanding into the Asian market. 「その会社はアジア市場への進出に狙いに定めた。」

She took aim at improving her English skills this year. 「彼女は今年、英語力向上に目標に定めた。」

The new policy takes aim at tax evasion.「新政策は脱税の取り締まりに照準を合わせている。」


では今日の文を訳していきます。

Slowly closing the distance to about 40 meters while concealing his presence, he took aim and pulled the trigger of his hunting rifle with an empty mind. 
「存在を悟られないようにゆっくりと距離を約40メートルまで詰め、彼は無心のまま狙いを定めて猟銃の引き金を引いた。」

動作を中心に時間・プロセスまでも一まとめにすることで、「時間的な広がり」が生まれ、より「ドラマチック」になり、オカモトさんの「緊張感」もが伝わってくる感じがします。

この先が気になる方は是非記事本文を訪ねてみてください。

今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.

投稿者

らくだ

身の回りにある無料の素材にチョット寄り道。 そこで出逢った「知ってる単語の知らない意味」をTOEICや英会話に生かそうと日々奮闘中! らくだ君の気付きのブログです。

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