
中国広東省汕頭(シャントウ)地域で話されている方言・潮州語(ちょうしゅう方言:ほとんどの中国人が字幕なしでは分からない)で撮影され、有名俳優も出演していない低予算映画“Dear You”が、今年中国で最も話題になった映画となりました。
この映画はタイ・バンコクを舞台に、そこで出稼ぎ労働者として働く中国人たちの物語です。
The Asahi Shimbun・“Chinese film shot in dialect is finding a global audience”
興行収入も素晴らしく(中国第二位)、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、タイでも上映され、ついにアメリカでの上映も決定しました。
この映画の快進撃を伝える続く文章に今日の勉強がありました。
The film’s popularity comes as Chinese culture and consumer brands have been gaining global cachet — from collectible Labubu dolls to “Chinamaxxing,” a social media trend of embracing aspects of the Chinese lifestyle.
※cachet :「特別な魅力・評判・格・ブランド力」、Chinamaxxing:中国流ライフスタイルを取り入れるトレンド
“as” って前置詞にも接続しにもなり、しかも訳し方がたくさんありいつも迷ってしまいます。今回はその後に S,V が続くので接続詞だとはわかるのですがなんか上手く訳せません。今日はこの “come as S V ~” で途中下車してじっくり調べたいと思います。
come as S V ~:「〜という状況の中で起こる」「〜と同時期に現れる」
「なるほど、そう訳せばいいのね」
でも、「そもそも」というか「わざわざ」というか、なぜ “as” なの? ”when” じゃダメ?
さらに調べてみると実に興味深いことが判明しました。
宿命の対決:come as vs when
「で、結局 when じゃダメなの?」
結論から言うと。ダメではない。意味は通じる。だが、ニュアンスが全く異なる。でした。
この違いの皆さんの理解度を4K、いや8K並みに跳ね上げる例をいくつか。
比較①:when を使った場合(点と点のアクション)
when は基本的に「時間軸上のピンポイント(あるいは明確な時期)」、ある出来事が「いつ起こるか」を示すだけで、背景や流れは関係ありません。
「彼が部屋に入ってきた『とき』、電話が鳴った」のような世界観です。
The idea came to me when I was in the shower. (そのアイデアはシャワー中にふっと浮かんだ。)
比較②:come as を使った場合(同時にじわじわ広がる)
come as は、時間ではなく「どんな状況の中で起きたか」を示します。as の根底にあるイメージ「イコール(同時進行・重なり)」が、二つの出来事の平行性を生み出します。
Her promotion comes as the company is restructuring. (彼女の昇進は、会社が再編中という状況の中で行われた。)
まとめると、
- come when = “〜した時に来る/起こる” → 時間・瞬間を表す
- come as = “〜という状況の中で起こる/〜と同時期に起こる” → 背景・流れ・コンテクストを表す
つまり、 when は時計の話、as は状況の話。
誤用しやすいパターン一覧(理由つき)
トドメに誤用との比較もしてみましょう!
1️⃣ 背景なのに when を使ってしまう誤用
本来は「状況・流れ」を表すべきなのに、つい “when” を使ってしまうパターン。
❌誤
The policy change came when public frustration was rising. (「いつ?」ではなく「どんな状況?」を言いたい文)
✔正
The policy change came as public frustration was rising.
理由
“when” は「時間の点」なので、背景の流れを描くと不自然になる。
2️⃣ 時間の一点なのに as を使ってしまう誤用
❌誤
The idea came as I was in the shower. (シャワー中という“状況”にも見えるが、実際は「その時にふっと浮かんだ」という“瞬間”)
✔正
The idea came when I was in the shower.
理由
アイデアが浮かぶのは「流れ」ではなく「瞬間」。 “as” を使うと「シャワー中の状況と並行してアイデアが進行していた」みたいな妙なニュアンスになる。
これで “come as” をいつでも不安なく読んでいけそうです。
では今日の文を訳していきます。
The film’s popularity comes as Chinese culture and consumer brands have been gaining global cachet — from collectible Labubu dolls to “Chinamaxxing,” a social media trend of embracing aspects of the Chinese lifestyle.
「この映画の人気は、コレクター向けのラブブ(Labubu)人形から、中国式ライフスタイルを取り入れるSNSトレンド”Chinamaxxing”まで、中国文化や中国発ブランドが世界的な評価と魅力を高めている流れの中で高まっている。」
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.