
またまた、私のスマホにおすすめ映画の予告が流れてきました。
今日教材にさせていただくのは、アメリカ映画”私たちは、ちょうどいい。” です。
電話でも連絡が付かなくなり、すっかり疎遠になってしまった父を探そうとリリー・トレヴィノはSNSで父の名前ボブ・トレヴィノを検索に掛け、見つかったボブに友達申請を送ります。しかし、彼は同姓同名の別人、赤の他人でした。
間違いから偶然繋がった二人は何気ないメッセージをやり取りするようになり、二人の間には性別・年齢を超えた友情が芽生え始めます。
ではご覧ください。
54秒辺りから始まるリリーのセリフに今日の勉強がありました。
“Your dad must have been a piece of work, if you needed a fake dad.”
「偽物の父親が必要だったなんて、君の親父も相当な a piece of work だったんだな」
字幕には「最低」となっている。意訳かもしれないけど、どうしてそう訳せるのだろう?
そもそも、a piece of work って 直訳すれば「ひとつの作品」あるいは「一作の仕事」ですよね
それがどうして?
ということで今日は “a piece of work” を深掘りしていきます。
第一章:「作品」なのか「曲者」なのか問題
調べると、あっけなく答えは出てきました。
a piece of work :一筋縄ではいかない人、曲者(くせもの)、一癖も二癖もある人、厄介なやつ
なるほど! そういうことか!
英語圏では、一言では言い表せないような「クセの強い人間」「関わるとちょっと面倒くさそうな人」のことを、a piece of work と呼ぶそうです。
しかし、なぜ「作品」が「クセ者」になるのか?
ここで私は自分の小学生時代を思い出しました。
その日は写生大会で、ある動物園を訪れていました。絵心は全くありませんでしたがそれでもそれなりに一生懸命ゾウさんのデッサンをしていました。
そんな時、隣のクラスの担任の先生が見回りにやって来ました。
わたしは尋ねます。「先生!僕の絵どう?」
先生が私の絵を見てこう言いました。
「なかなかの芸術作品ですね!」
”私を傷つけないように細心の注意を払った”、複雑なそれでいていたずらっぽさがあふれる先生の表情を今でも忘れません。
そしてこれが”皮肉”というものを知った初めての経験だったのかもしれません。
そしてこれが “a piece of work”!
第二章:日常で見かける「a piece of work」な人々
ここで、ネイティブが日常会話で使う「a piece of work」の例文をいくつか紹介しましょう。
例文①:社内のトラブルメーカーについて噂話するとき
“Have you talked to the new manager?” (新しいマネージャーと話した?)
“Yeah, he’s a piece of work. He rejected my proposal before I even finished explaining it!” (ああ、かなりの曲者だよ。説明が終わる前に俺の提案を却下したんだから!)
例文②:元カレ・元カノの凄まじいエピソードを披露するとき
“My ex-boyfriend listed all the money he spent on our dates and asked for a refund when we broke up.” (元カレ、別れた時にデートで使ったお金を全部リストアップして返金請求してきたの。) “Wow… he sounds like a piece of work.” (うわぁ……それ、相当ヤバいやつだね。)
例文③:ドラマのセリフのように、皮肉混じりに人を評価するとき
“She smiles at everyone, but behind their backs, she tells terrible rumors. She’s quite a piece of work.” (彼女、誰にでも笑顔を見せるけど、影ではひどい噂話を流してるの。本当になかなかの曲者よ。)
どうでしょう?
十分”皮肉”を感じられましたでしょうか?
第三章:元のセリフに戻ってみる
ここで、冒頭のドラマのセリフに戻ってみましょう。
“Your dad must have been a piece of work, if you needed a fake dad.”
「偽の父親が必要だったってことは、本当の父親は相当クセの強い人だったんだろうね。」
字幕では語数制限があるので「本当の父親が最低」となっていましたが、色いろ経緯があってこうなったんですね。勉強になりました。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.