
英語の日常会話には、簡単な単語の組み合わせなのに、知らないと全く意味が想像できない面白いイディオムがたくさんあります。
見た目からしてイカツイ単語を覚えなくてはいけない場面も時にはあるでしょうが、中学で習うようなシンプルな単語の意外な意味を知り、使いこなせるようになることが、英語力向上につながると思い、月~金でこのブログに記録しています。
どうぞ、お気軽に立ち寄って見てください。
今日の勉強は昨日のブログ “100点中~点:英語では何というでしょう?” に引き続き、The Asahi Shimbun・“Security guard, 72, behind design of Nike’s new Shinjuku store” を題材にしていきます。
JR新宿駅付近では、ガムテープを張って手作りされた標識がよく見られます。
「左側通行」に「立ち入り禁止」、ふっくらしたちょっと丸みを帯びたフォントのその看板たちは、的確に、しかもどこか温かく通行人を誘導してくれています。
実はこの看板はJRなどとは全く関係なく、新宿で働くある警備員さん(サトウさん)が、誰に頼まれたわけでもないけど作ったモノでした。
作り始めて約20年、次第にその特徴的なフォントが認知され人気になり、この春あの世界的スポーツブランド、ナイキの新宿店のディスプレイにそのフォントが採用されました。
でも、そもそもどうしてこうした標識を作ろうと思ったのか?
2004年に始まった工事の影響で、新宿駅はさながら迷路のようになりました。
警備員として働いていたサトウさんは、乗客に頻繁に道を尋ねられ感じました。
「言葉だけの説明では不十分だ。」
そこで彼はガムテープを使って標識を作り始めます。
しかしある日、
One day, a frustrated commuter grabbed him by the collar, yelling, “I want to get through here!”
「ある日、不満のたまった客がサトウさんの胸ぐらをつかんで叫びました。”俺はここを通りたいんだ!”」
そしてその時サトウさんの中に起こった反応に、今日の勉強がありました。
Sato, who had worked in a bank and a coffee shop, had always prided himself on putting himself in the customer’s shoes. So, the encounter with the angry commuter struck a chord.
“put himself in the customer’s shoes”「客の靴の中に自身を入れる」?
”他人の靴を履く”なんて考えるとチョット気持ち悪いですけど、しかも「彼はそれを誇りに思っている」?
も~何のことやら?
これは、調べる時間のようです。
少々お待ちください。
“put oneself in someone’s shoes”「(人の)立場になって考える」「(人の)気持ちを推し量る」
自分自身を相手の状況に置き換えてみて、「もし自分がその人だったらどう感じるか、どう行動するか」を想像するときに使われます。日本語でいう「他人の身になって考える」「感情移入する」がぴったり当てはまります。
なぜ「靴(shoes)」なのか?
靴はその人と一緒に長い道を歩くもの。
そこにある”靴”に足を入れれば、「これまで歩いて来た道のり」を感じ、その人の目線でモノを見て、今置かれている状況を知ることができます。
「靴(shoes)」はその人の「立場」「境遇」「人生の歩み」を表し、このイディオムができました。
基本的な使い方
このイディオムを使うときのポイントは、”put” の後ろに「誰が立場を変えるのか(基本は自分:oneself)」を入れ、“shoes” の前に「誰の立場になるのか」を入れる点です。
では、ドンドン例文に触れ、バンバン慣れていきましょう!
“Just put yourself in my shoes for a second!”
「ちょっとでいいから、私の立場になって考えてみてよ!」
“If you put yourself in my shoes, you’ll understand why I’m so angry.”
「私の立場になれば、なぜ私がこんなに怒っているか分かるはずだよ。」
“I put myself in your shoes, and I realized how tough it must be.”
「君の立場になって考えてみたら、それがどれほど大変なことかよく分かったよ。」
“If I were in your shoes, I would probably do the same thing.”
「もし私があなたの立場だったら、きっと同じことをしていたと思う。」
※ と言う具合いに、仮定法(If I were in your shoes,)のパターンで使われているのをよく見かけました。
“We need to put ourselves in our customers’ shoes to improve this service.”
「このサービスを改善するためには、お客様の立場に立って考える必要があります。」
“Before you get mad at him, try to put yourself in his shoes.”
「彼に怒る前に、彼の状況を想像してみてごらん。」
どうです?他人の”靴”を履くのも慣れてきましたか?
では今日の文を訳していきます。
「銀行や喫茶店で働いたことのあるサトウさんは、お客様の立場になって考えることに誇りをもって生きてきました。怒ったお客さんとの出会いに、サトウさんの心に響くものがありました。」
因みに”strike a chord” は 以前勉強した、”strike a note” と同じで「~の心に響く」という意味のイディオムでした。詳しくは “strike a note:今日のイディオムは聴覚的イメージが大事” の回を参照ください。
その後サトウさんはどうしたのか?
気になるところですが、それはまた次回。
ブログを最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回も日常で使える一歩進んだ英語表現をお届けします!
Don’t forget to come back on Monday.