
英語を勉強していると、「もっと難しい単語を覚えなきゃ」と思っていませんか?
難しい単語を覚え自分のボキャブラリーをひろげるのも大切ですが、実は、私たちがすでに知っている超シンプルな単語の組み合わせの中にこそ、ネイティブが日常的に使い、かつ日本人が見落としがちな「お宝フレーズ」が眠っています。
いらっしゃいませ!ここは、そうした知ってるつもりの”易しい”単語の知らない使い方に注目し、深掘りし、皆さんと共有しているブログです。
では、今日の勉強に行きましょう!
先週から読んでいたのは、The Asahi Shimbun・“Security guard, 72, behind design of Nike’s new Shinjuku store”でした。前回のブログ “put oneself in someone’s shoes:他人の靴は履きたくないけれど” の続きを読んでいきましょう。
ごく普通の警備員さんが通行人のためにガムテープを使って手作りした標識。
そのふっくらした丸みのある特徴的なフォントが徐々に認知され、人気になり、ついにはあの世界的スポーツブランド・ナイキの店舗ディスプレイに採用されることになりました。
しかしその特徴的なフォントは偶然できたものではなく、迷路のように入り組んだ新宿駅周辺を行きかう人たちへのこの警備員・サトウさんの思いやりと工夫の賜物でした。
He added an “extra touch” by rounding the corners of the tape letters with his utility knife, hoping to “relieve even a little bit of the commuters’ frustration and irritation.”
「”少しでも通勤者の苛立ちや不満を和らげられたら”と、ガムテープの角をカッターで切り、丸みを与えた。」
サトウさんにはデザインの経験でもあったのでしょうか?
その答えに、今日の勉強がありました。
A native of Hanamaki, Iwate Prefecture, Sato has never studied design and was, by his own admission, bad at calligraphy.
by(〜によって)」「one’s(誰かの)」「own(自身の)」、そして「admission(入場、入学……?)」、”free admisssion”「入場無料」ってのは、TOEICの勉強していて見たことがあるような気がしますが、単語は全部知っているけれど、合体するとなんだかモヤッとします。
では、調べに行ってきます、少々お待ちを。
“by one’s own admission” 「本人が自ら認めているように」「本人自身の告白(白状)によれば」
ここで「おや?」と思った方もいるかもしれません。そう、カギを握るのは “admission” という単語でした。
「入場」だけじゃない “admission”
てっきり admission = 入場、入学、入会 と思い込んでいましたが、名詞の “admission” には、単に「中に入ること」だけでなく、「(好ましくない事実などを)認めること、自白、告白」という意味がしっかりと存在していました。
確かに、動詞形の “admit”には「(事実だと)認める、白状する」 という意味がありますもんね。
つまり、”by one’s own admission” を直訳っぽく分解するとこうなります。
- by(〜によって、よると)
- one’s own(~自身の)
- admission(認めること、告白)
これらが合体して、「~自身の告白によると = 本人が自分で認めているように」というイディオムが完成するのです。
どんな場面で、どう使う?(基本の文構造と例文)
それでは、様々”by one’s own admission” の使用例を見て、イメージを固めていきましょう。
By his own admission, he is not very good at organizing files.
「彼自身の認めるところによれば、彼はファイルの整理があまり得意ではない。」
She is a bit of a workaholic, by her own admission.
「彼女は、本人も認める通り、ちょっとワーカホリック(仕事中毒)なところがある。」
He is, by his own admission, a terrible cook.
「彼は、自他ともに認める(本人の弁によれば)料理下手だ。」
The company, by its own admission, failed to meet the safety standards.
「その企業は、自らの認めるところによれば、安全基準を満たすことに失敗していた。」
I am, by my own admission, addicted to coffee. I can’t survive without three cups a day.
「自分で認めるのもなんだけど、私はコーヒー中毒だよ。1日3杯ないと生きられない。」
「ちょっとネガティブな事実や、自分の弱み、あるいは普通なら隠しておきたいこと」を、「いや〜、自分でも認めるんだけどさ」「分かっちゃいるんだけどね」と本人が一歩引いて認めることで人間味のある表現になります。またその少しフォーマルな響きはおかしみも感じさせてくれます。更に「私が勝手に批判しているのではなく、自身がそう言ったのだから間違いありませんよ」というニュアンスも出せます。
そしてこの辺りが、「情報源は~だ」と、内容がポジティブでもネガティブでも単に事実を伝える”According to 〜” との違いのようです。
それでは、イメージが十分つかめたところで、今日の文を訳していきます。
「岩手県花巻市出身のサトウさんはデザインの勉強をしたことはなく、自らの認めるところによれば、習字は苦手だったそうだ。」
もともと才能をお持ちだったんですかね、
サトウさんへの興味は尽きませんが、私のエネルギーが尽きてきました。
今日はこれでおしまい。
お付き合いいただきありがとうございました
See you tomorrow.