
今週は、奈良県明日香村の「飛鳥・藤原の宮都」が世界遺産に選出された関連記事を読んできました。
The Asahi Shimbun・“Asuka village seeks slow-paced tourism with new UNESCO status”
村を通る道は狭く、駐車場もそう多くない。そこで村は多くの観光客が観光スポットを駆け回るようなスタイルではなく、ゆっくりじっくり滞在してもらう新たな観光スタイルを模索しています。
もともと村内の宿泊施設数は限られていましたが、滞在をコンセプトにしたホテル・旅館が新たに増えてきました。
あの ”星野リゾート” もそのひとつ。
そしてそこに今日の勉強がありました。
It envisions turning a former rice paddy into a 35-room property where two-story lodgings with tiled roofs are arranged around a central garden inspired by terraced fields.
前半はバッチリ理解できました。
「former rice paddy(元・田んぼ)」を「35-room property(35室のホテル)」にするんだな、なるほど。
「tiled roofs(瓦屋根)」の「two-story lodgings(2階建ての宿泊棟)」が中央の庭園(central garden)を囲むように建つわけか。なんとも落ち着いた和モダンな雰囲気が目に浮かびます。(さすが星のリゾート!泊まったことはないけれど...)
問題は、その中央の庭園のデザインコンセプトです。
“inspired by terraced fields”……?
私の脳内の中学英語データベースが「テラス(terrace)」の文字を全力で検出します。「テラス……? カフェのテラス席? パティオ的なやつ?」
しかし、後ろについているのは field(フィールド/野原・畑) です。直訳すると「テラスにされた……野原? テラス付きの畑?」
客室に囲まれた庭園の真ん中に、オシャレな木製ウッドデッキ(テラス)が幾重にも敷き詰められ、その隙間からジャガイモやトウモロコシがニキニキと生い茂っている光景。あるいは、もともと畑だった所に作ったテラス。
私の妄想は迷走を極めました。
では瞑想から抜け出すため探求の旅に出ますか。
■ terraced field(s) の意味
- 段々畑(だんだんばたけ)
- 棚田(たなだ)
- 「段々になった傾斜地」
なぜ「棚田」になるか?それは “terrace” のコアイメージを知れば一発でした。
terrace のコアイメージ:語源は terra(地面)から派生した「地面を平らにした場所」「平らに整えた段」
“terrace”の主な使い方
① 建物の外にあるテラス(屋外スペース)
家・レストラン・ホテルの外にある、座ったり食事したりできる平らなスペース。
- We had breakfast on the terrace. テラスで朝食をとった。
② 段々畑・棚田(terraces / terraced fields)
斜面を階段状にした農地。
- The villagers built terraces on the hillside to grow crops. 村人たちは斜面に段々畑を作った。
③(英)テラスハウス:連続した家並み(a terrace of houses)
イギリス英語で、同じ形の家が横にずらっと並んだ住宅列。(Netflix のあの番組名はここからきたのかな?)
- They live in a Victorian terrace. 彼らはヴィクトリア様式のテラスハウスに住んでいる。
④(英)サッカーの立ち見席(the terraces)
段状になった立ち見席。
- Fans were shouting from the terraces. ファンはテラス席から叫んでいた。
⑤ 動詞:段々にする(to terrace)
土地を段々状に整備すること。
- The hillside was terraced for farming. 斜面は農業用に段々に整備された。
そうです!今回疑問に思ったterraced fieldsは、まさにこの動詞での使い方。
ウッドデッキでジャガイモを栽培しているわけではなく、「階段状の台地」「段々になった傾斜地」 という意味でした。
ではここで、正しい意味と棚田のイメージを脳内にセットして、もう一度冒頭の一文に向き合ってみます。
“It envisions turning a former rice paddy into a 35-room property where two-story lodgings with tiled roofs are arranged around a central garden inspired by terraced fields.”
「元々は田んぼだった土地を活用し、日本の美しい『棚田』をモチーフにした段々状の中庭を中心に、伝統的な瓦屋根を持つ2階建ての客室棟を配した、全35室のラグジュアリーな宿泊施設を構想している。」
……なんということでしょう。劇的なリゾート空間の完成です。
「いつか明日香村を訪れ、朝から晩、そして夜までゆっくり流れる時間と世界遺産を味わいたい」しみじみそう思わせてくれた記事でした。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
Don’t forgrt to come back on Monday.