
英語を読んでいると、中学生の時に習うようなシンプルな英単語が、全く知らない使い方、意味で登場することがよくあります。
このブログでは、そんな易しい(実は難しい)単語、イディオムをご紹介しています。
今日もまさに、そんな単語の一つ。
前回 “guiding principle:あなたにとっての「北極星」は?” は、ウクライナからの難民に医療を届けようと、ウクライナの隣国モルドバに渡った医師、ナガシマさんのお話でした。
今日もその続きを The Asahi Shimbun・“Japanese doctor pivots to opening store in Moldova offering onigiri” で読み進めていきます。
こうして医療従事者としてやってきたナガシマさんですが、彼が今モルドバでやっていることは一見医療とは全く関係ないことでした。
彼が今モルドバでやっていること、それはおにぎり店の経営。
彼によると、医療もおにぎりも人の生活や命に関わるという共通点があるのだとか。
もっと詳しく知りたくなり、先に読みます。
お店NO1人気のおにぎりの紹介を通り過ぎると、そこに次の疑問がありました。
Nagashima said he set his sights on onigiri because he thought it has the potential to take hold here as a practical pick-me-up option,
まずは、復習が二つありました。
まずは “set sight on” です。“set sights on~:あなたなら「~」に何が入りますか?” の回で勉強しました。
「~に照準を合わせる、~を目標に設定する」というイディオムでした。
二つ目は “pick-me-up” です。こちらは““Pick me up!”は「迎えに来て!」じゃないかもしれない” の回での勉強。「元気をくれるモノ」という意味でした。
詳しくはそれぞれ寄り道してご確認ください。
で今日の疑問、”take hold”
“hold”が”take”の目的語、つまり名詞になっています!
さあ一体どんな意味に生まれ変わるのか、調べますので少々お待ちを。
take hold「定着する、広がる、効き始める」
単語自体は「take(取る)」と「hold(持つ、掴む)・(握り、保持、支配)」という非常にシンプルな組み合わせですが、こうした意味が合わさり合って奥深いニュアンスに繋がりました。
では、代表的な事例をいくつか見ていきましょう。
① 「定着する」「根付く」
新しい習慣、流行、考え方などが社会や個人の生活にしっかりと入り込み、離れなくなった状態を指します。
- The new custom has taken hold in this village.
「その新しい習慣がこの村に定着した。」 - Remote work has really taken hold over the last few years.
「リモートワークはこの数年で本当に定着した。」 - The korean food is starting to take hold among young people.
「そのコリアンフードが若者の間で定着しつつある。」
② 「(感情や病気が)支配する」「広がる」
感情が人を支配したり、病気や火災などが勢いを増して広がったりする時に使われます。
- Panic began to take hold of the crowd.
「パニックが群衆を支配し始めた。」 - Concerns have taken hold about stable crude oil supply.
「原油の安定供給についての懸念が広がっている。」
なぜ「take hold」が重要なのか?
英語には”become popular”や”start to affect”といった、より直接的な単語がありますが、あえて”take hold”を使うことで、「種が土に根を張り、簡単には抜けない」「じわじわと浸透し、最終的にがっしりと定着した」状態をニュアンスに載せて表現できます。
【応用編】もっと自然に聞こえるコツ
「take hold」をさらに使いこなすために、副詞を添えてみましょう。
調べていく中でよく見た組み合わせをいくつかどうぞ。
- Firmly take hold(しっかりと定着する)
- Gradually take hold(徐々に広がる)
- Finally take hold(ついに根付く)
それでは、”take hold”のニュアンスをつかめたところで、今日の文を訳していきます。
「おにぎりには、手にとれる元気をくれるものとしてこの地に定着する可能性があると考え、彼はおにぎりに照準を合わせた。」
まだまだナガシマさんに興味が尽きませんが、今日はここまで、続きはまた明日。
皆さんの英語学習も、しっかりと take hold しますように!
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.