
私たちが知っている意味は、その単語のほんの一部にしか過ぎません。
勉強するたび、遠い昔に習った易しい単語に驚かされるばかりです。
そしてこのブログでは、そうした単語やイディオムをみなさんと共有しています。
今日も、シンプル単語の、奥が深い辞書の一番上には載っていない意外な使い方をご紹介します。
今週は、The Asahi Shimbun・“Japanese doctor pivots to opening store in Moldova offering onigiri” を読んでいます。
ウクライナからの難民に医療を提供するため、医師としてモルドバに渡ったナガシマさんでしたが、今彼が提供しているのはなんと”おにぎり”でした。
前回のブログ “take hold :”hold”が名詞になりました。” の続きを読んでいきましょう!
では、そもそも私たち日本人にはあまり馴染みのない、”モルドバ”とは一体どういう国なのでしょう?
そしてその説明に今日の勉強がありました。
Moldova, which was part of the former Soviet Union, is considered one of the poorest European nations and has a pressing need to develop its industry.
“pressing need” 「押している必要」? どうやら単なる「必要」ではなさそうですね。
では、さっそく調べに参ります。
少々お待ちを。
“pressing need”「差し迫った必要性」
1. “pressing need” の意味とニュアンス
動詞 “press”(押す)が持つ背中をグイグイ押すようなイメージ、あるいは上から重くのしかかってくるような感覚。
そこに「後回しにすることは許されない」という、強いプレッシャーを伴うニュアンスが含まれます。
“urgent” ではダメなの?
「緊急」といえば “urgent” という単語を思いつきますが、いろいろ調べるとこんな違いが
- Urgent need: 時間的な「急ぎ」に焦点。
- Pressing need: 時間的な急ぎだけでなく、その問題の「重大さ」や「深刻さ」によって、今すぐ対処せざるを得ない状況に焦点が当たります。
“pressing need” には、単に「急いで!」と言うだけでなく、「避けては通れない、重大な課題が目の前にある」 というニュアンスが醸し出されているようです。
2. どんな場面で使われる? 具体的な活用シーン
① 社会問題や政策について語る
“There is a pressing need for more affordable housing in this city.”
「この都市では、より手頃な価格の住宅に対する差し迫ったニーズがある。」
② ビジネスでの優先順位付け
“Our most pressing need right now is to secure additional funding.”
「現在、我々にとって最も差し迫った必要性は、追加融資を確保することだ。」
「他にもやることはあるけれど、まずはこれ(資金確保)をやらないと全てが止まってしまう」というニュアンス。
3. 表現の幅を広げる!一緒に使いたいコロケーション
“pressing need” を調べていると、よくセットで使われる単語を発見!
せっかくだからその組み合わせ(コロケーション)を覚えておきましょう。
頻出フレーズ
- Address a pressing need: 緊急の課題に対処する
- Meet a pressing need: 差し迫ったニーズに応える
例文で練習
- The new policy is designed to address the pressing need for mental health support.”
「新しい政策は、メンタルヘルス支援という差し迫ったニーズに対処するために設計された。」 - The start-up company met the need for clean, renewable energy to replace fossil fuels and reduce CO₂ emissions.
「そのスタートアップは化石燃料にとってかわり、二酸化炭素の排出に繋がるクリーンで再生可能なエネルギーへの差し迫った必要性に応えた。」
色々”pressing need” の使用例を見てきてイメージをしっかり持てました。
では、今日の文を訳していきます。
「旧ソビエト連邦の一部だったモルドバは、世界で最も貧しい国の一つで、緊急の課題は自国の産業を育てることだ。」
「必要だ」と言いたい時、 “want” や “need” でついつい済ませてしまいがち(と言うか、それしか出てこない)。
でも、レパートリーに”pressing need” が入ったら、どんなにこなれた感が出せるだろう。
パッと口をついて出てくるまで、意識して使っていきたいと思います。
さてと、少し眠くなってきました、どうやら”I have a pressing need to go to bed.” のようです。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.