洋書や英語ニュースを読んでいるとき、「知っている単語の組み合わせなのに、文脈的に意味がしっくりこない…」と手が止まった経験はありませんか?

そうした表現を毎日ひとつ掘り下げてお届けしているこのブログ、今日、目にとまったのは 「warm up to」 という表現です。

「warm up」なら「準備運動」や「温まる」だけど、後ろに「to」がつくとどういうこと?「〜に向かって準備運動する」??

気になって詳しく調べてみたら、慣れ親しんだ”warm up” の訳とは違うけど、言われてみれば確かに “warm up” がしっくりくるイディオムでした。直訳とはまったく違う、人間の感情のグラデーションを見事に表現した深〜いイディオムを体感しましょう!

1. 私が出会った英文と、最初の違和感

まず、私がこの表現に出会ったのは、前回のブログ “a spike in business:履いたりアタックしたり、そして” の続きで、The Asahi Shimbun・“Hong Kong eateries welcome dogs as city relaxes ban” を読んでいた時のことでした。

香港でカフェを営むチャンさんは、飲食店内にペットが同伴できるようになった今回の制度改正を、ペットオーナーの立場から歓迎しています。しかし、ペットを飼っていない人たちに対する彼の気遣いに今日の勉強がありました。

He hopes that responsible pet owners in restaurants and other public spaces will eventually help nonpet lovers warm up to the idea

「そのアイデアに向かって温まった」では意味が通りませんよね。

そこで気になって辞書やネイティブの解説を片っ端から調べてみたところ...
では調べた成果をご覧ください。

2. 「warm up to」の本当の意味とは?

  • warm up = 冷えていたものが、じわじわと温まってエンジンがかかる
  • to = (特定の対象へ向かう)矢印・ベクトル

これを組み合わせると、「時間の経過とともに、気持ちが徐々にポジティブな方向へ温まっていく様子」「特定の対象(人・モノ・事)に向けて、冷めていた(距離のあった)自分の心がじわじわと温まって向かっていく」 というイメージの表現でした。

具体的には

  • (人や動物に)だんだん打ち解ける、心を開く、なつく
  • (アイデアや提案、環境に)次第に興味を持つ、徐々に気に入ってくる
  • (最初は気乗りしなかったものに)だんだん乗り気になっていく

英語には「Love at first sight(一目惚れ、一目で好きになる)」という言葉がありますが、「warm up to」はまさにその真逆、「心の温度変化のプロセス」こそが、warm up to の持つコアなニュアンスです。

3. シチュエーション別!「warm up to」の使い方と例文

調べれば調べるほど、「warm up to」は日常会話、ビジネス、プライベートなど、あらゆる場面で使える万能なフレーズだと分かりました。具体的なシチュエーション別に例文を整理してみます。

① 人に対して:「人見知りの人が徐々に心を開く」

初対面では距離感があった人が、時間をかけて仲良くなっていく場面です。

  • 例文 1:My new roommate was very quiet at first, but she gradually warmed up to me.(新しいルームメイトは最初はとても静かだったが、徐々に私に心を開いてくれた。)
  • 例文 2:It takes a long time for him to warm up to strangers.(彼は見知らぬ人に慣れて打ち解けるまでに長い時間がかかる。)

② アイデアや提案に対して:「最初は乗り気じゃなかったけど…」

  • 例文 3:The client was hesitant about the bold design, but they are starting to warm up to it.(クライアントはその大胆なデザインに躊躇していたが、次第に気に入って(受け入れ始めて)きている。)
  • 例文 4:I didn’t like the idea of working remotely at first, but I’m slowly warming up to it.(最初はリモートワークという考えが好きになれなかったが、だんだんその気になってきた(悪くないと思えてきた)。)

③ ペットや子供に対して:「時間をかけてなつく」

  • 例文 5:The rescued cat was terrified, but it didn’t take long for her to warm up to her new family.(保護された猫は怯えていたが、新しい家族になつくのにそう時間はかからなかった。)

“warm up to” に warm up to できてきましたので、今日の文を訳していきます。

He hopes that responsible pet owners in restaurants and other public spaces will eventually help nonpet lovers warm up to the idea

「レストランや公共の場においてのペットオーナーの責任ある行動が、”ペット好きでない人たち”がそのアイデア(この制度変更がペットに優しい社会を作る)を受け入れる助けになることを願っている。」


最初は「準備運動…?」と戸惑いましたが、調べてみたら文字上の”訳”だけに収まらず、「冷えていた心が、特定の人や物に向かってじんわり温まっていく」という ”warm up to” のイメージまで感じられるようになりました、めでたしめでたし。

ということで、今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.

投稿者

らくだ

身の回りにある無料の素材にチョット寄り道。 そこで出逢った「知ってる単語の知らない意味」をTOEICや英会話に生かそうと日々奮闘中! らくだ君の気付きのブログです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)