
英語の勉強をしているとき、「知っている単語の組み合わせなのに、文脈的に意味がしっくりこない…」と手が止まったり思考が止まったりすること、よくありますよね?
今日も英文記事を読んでいて、まさにそんな表現に出会いました。
目にとまったのは 「baked into」 。
問題は私が読んでいたのはパンやクッキーのレシピなどでは決してないということです。
どうですか?私と一緒に「baked into」のクッキング以外での使い道を勉強して見ませんか?
読んでいたのは、The Mainichi・“Cut the number of choices you make each day. Your brain will thank you” 。
「選択肢が十分にないと満足できる最高のモノを選ぶことはできない」、この現代社会の常識に”行動科学”の専門家たちは異を唱えている。
その流れで出てきた英文が、こちらの一節でした。
The idea that more choice is better is baked into Western culture, but research shows that having more options can make people anxious, indecisive and, paradoxically, less happy with what they pick,
直訳しようとすると、「『選択肢が多いほど良い』という考え方が、西洋文化の中に焼き込まれている」となります。
「文化の中に焼き込まれている…?? パンでも焼いているわけじゃないし」
そこで今回は、「baked into」の本当の意味やニュアンス、使い方まで、徹底的に掘り下げていきます!
私が出会った英文と、最初の違和感
あらためて今日の文を見てみましょう。文脈としては、「選択肢は多ければ多いほど自由で幸せになれる」という現代社会の価値観について語られている場面。
「選択肢が多いほうが良いという考え方は、西洋文化にbaked intoされている」
ここで「焼き込まれている」と直訳してしまうと、なんだか不自然ですよね。そこで調べてみると、しっくりいく訳が見えてきました。
“baked into” 「深く根付いている」
ではなぜ「焼く(bake)」という言葉が「深く根付いている」という意味になるのでしょうか?
生地をこねるときに、例えばチョコチップを混ぜ込んでオーブンで焼き上げると、チョコはクッキーの「生地そのものの一部」になります。
一方で、焼き上がった後の普通のクッキーの上にチョコをポトンと乗せるだけなら、簡単に取れてしまいます。
英語の「baked into」は、まさにこの「生地(全体)と一緒に焼き上げられて、もう切り離せない状態になっている」という比喩になっています。
「深く根付いている」を表すシチュエーション&例文
それでは具体的なシチュエーション別に例文を見てみましょう。
① 文化・思想:「当たり前の価値観として深く根付いている」
- 例文 1:Individualism is baked into American identity.(個人主義は、アメリカ人のアイデンティティに深く根付いている。)
- 例文 2:Hospitality is baked into the local culture.(おもてなしの精神が、その地域の文化に深く根付いている(当たり前のように染み込んでいる)。)
② 企業文化・組織:「ポリシーや理念が根付いている」
- 例文 3:Innovation is baked into our company’s DNA.(イノベーションは、私たちの会社のDNAに深く根付いています。)
- 例文 4:Customer obsession is baked into everything they do.(顧客第一主義という考え方が、彼らのやる行動すべてに徹底して根付いている。)
③ 制度・構造:「欠陥や前提が構造自体に組み込まれている」
- 例文 5:This feature is baked into the software, so you can’t simply turn it off. (この機能はソフトウェアに深く組み込まれているので、簡単にオフにはできない。)
“baked into” が「根付いている」となるのが、イメージを介して理解できたところで、今日の文を訳していきます。
The idea that more choice is better is baked into Western culture, but research shows that having more options can make people anxious, indecisive and, paradoxically, less happy with what they pick,
「『選択肢が多いほうが良い』という考え方は、西洋文化に深く根付いていて、後から取り払うことなんてできない当たり前の前提になっている。しかし、調査によると選択肢が増えると人は不安になり決められなくなり、皮肉なことだが自分の選んだものに満足できなくなる。」
さすが”パン”を食べる人たちの言葉ですね。
まさに彼らの生活に “baked into” した表現です。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.