英語を勉強していると、たまに「知ってる知ってる!」と通り過ぎようとした瞬間、後ろから襟首を掴まれるような衝撃を受けることがある。

昨日のブログ “take-home pay:新しいアプリ決済じゃないですよ” の続き、The Asahi Shimbun・“Retiree immersed in new life as professional plastic modeler” を読み始めたところ、私の目に突如として厄介な英文が飛び込んできました。

“Retracing a range of challenges he has overcome with his family, Ozawa speaks matter of factly about those bygone days, though.”
(家族とともに乗りえできたさまざまな困難を振り返りながらも、オザワさんは過去の苦難の日々について matter of factly に語る。)

……ん? ちょっと待った。

matter of factly ????

何だこの、見たことあるようでたぶん無いこの表現は?

「matter(物質・問題)」+「of(〜の)」+「fact(事実)」+「ly(〜的に)」……? 直訳したら「事実の物質的に」??

そもそも “fact” に副詞の “factly” ってあるの?気になり出したら、もう続きなんて一切頭に入ってきません。こうなったらいつものように調べに行くしかありません。

第一章:まずは知ってる表現から

そもそも、僕はこのパーツの一部である as a matter of fact というフレーズなら知っています。

「実はね」「実を言うと」「それどころか」といった意味で、会話の冒頭にフランクに挟む、あの便利アイテムですよね。

実は/実のところ(意外な事実の追加) 例:As a matter of fact, I’ve met him before.実は、彼に前に会ったことがある。

実際のところ/実際は(相手の思い込みを訂正) 例:“You look tired.” “As a matter of fact, I feel great.” →「疲れて見えるよ」「実際はすごく元気なんだ」

私にとって “as a matter of fact” は “as a matter of fact” で、もうそれ以外のなにものでもない。この表現の成り立ちなど考えたことなどありませんでした。

これもいい機会、じっくり考えてみますか。

第二章:ハイフンで繋がれた「正体」

辞書を開き、慣れ親しんだフレーズから as を引っぺがして調べてみると、ハイフンで繋がった matter-of-fact が見つかりました。

【matter-of-fact】(形容詞)

  • 割り切った、感情を交えない、淡々とした、事実のみの

……おおっ!? 完全に独立したひとつの形容詞だったのか!!

言葉の成り立ちを分解してみると、なんのことはない。 「a matter of fact(事実の事柄・現実問題)」 という名詞のセットが、長い歴史の中でひとまとめに固まり、「客観的な事実に基づいた」「事実として淡々と割り切っている」というニュアンスの形容詞へと進化したのでした。

※なるほど、あの「実はね」でお馴染みの “as a matter of fact” はよくよく考えれば「現実問題として」ってことだったんですね。ついでに一つ賢くなりました。

【例文1】形容詞の matter-of-fact

“She gave a matter-of-fact account of the accident.” (彼女はその事故について、感情を交えず淡々と説明をした。)

第三章:そして「-ly」との合体

「形容詞としての顔」が分かれば、こちらのものです。 -ly は、形容詞を副詞(〜風に、〜的に)に変える接尾辞。辞書でも”factly” という副詞があること、ちゃんと確認しました。

じゃあ、matter-of-fact(淡々とした)に -ly をつけるとどうなるか?

……そう、matter-of-factly(淡々と、感情を交えずに) にです!ちなみに副詞の時はハイフンを付けても付けなくてもどちらでもいいようです。

「慣習フレーズ(as a matter of fact)」 ⇒「ひとまとめにして形容詞化(matter-of-fact)」 ⇒「さらに副詞化(matter-of-factly)」

……という、怒涛の2段進化を捕らえることができました。

第四章:実際の英文に戻ってみる

意味と構造を完璧に理解したところで、冒頭の小沢さんの英文に戻ってみましょう。

“Retracing a range of challenges he has overcome with his family, Ozawa speaks matter of factly about those bygone days, though.”

「家族とともに乗り越えてきた数々の困難を振り返りながら、しかし小澤は当時のことを淡々と語る。」

「事実の事柄(matter of fact)」として、事もなげに淡々と(matter-of-factly) 語っているのでした。


ついつい話を盛っちゃったり、脱線したりして話してしまうので、これからは 大切な時は”matter of factly” で話すように心がけたいです。
「先日もですね...」いかんこういうとこ。

今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.

投稿者

らくだ

身の回りにある無料の素材にチョット寄り道。 そこで出逢った「知ってる単語の知らない意味」をTOEICや英会話に生かそうと日々奮闘中! らくだ君の気付きのブログです。

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