
シンプルな英単語の意外な意味についてしたためお届けしているこのブログ、今回はTOEICの勉強をしているとたまに見かける “resignation” についてお話いたします。
「”resignation” は知っているよ、”辞任”でしょ?」という方、よろしかったらチョットお付き合いください。
今日お邪魔するのは、The Asahi Shimbun・“Tea products bring prestige to only village in Kyoto Prefecture” 。
鮮やかな緑の茶畑の風景は、”癒し”だけでなく “resignation” の未知の一面を知るきっかけを与えてくれました。
京都府唯一の村「南山城」。滋賀県・三重県・奈良県と接するこの村は75%が山地ということで気温の寒暖差が激しく、それがこの地をお茶の一大産地にしています。
南山城産のお茶の多くが”宇治茶”ブランドで出回っていることで村の認知度は低ったのですが、村の「道の駅」の大成功によってそれが変わろうとしています。
全国道の駅ランキングで1位を獲得し、年間62万人を集めるその要因はやはり「お茶」でした。
そのインパクトは村人の心ににも影響を与え...
道の駅を運営する「お茶の京都」のモリモト社長の言葉に今日の勉強がありました。
“The sense of resignation that ‘all we have is tea’ has successfully transformed into a feeling of pride that ‘what we have is tea,’” said Kenji Morimoto,
“the sense of resignation” 「辞任の気持ち」?
大成功しているのだから突然「辞任」なんかしなくても...いやいや他に意味があるのでしょう、きっと。
社長が辞任する前に意味を明らかにしたいと思います、少々お待ちを。
“resignation” は「辞職」だけじゃない
まずは大元から間違っていました。押さえておきたいのは、resignation には2つの意味があるということ。
- 辞職・退職
- 諦め・受容・甘受
1番の意味しか知りませんでしたが、辞書には確かに並列して書いてありました。
そして次に注目したいのは、この “resignation” 「諦め・受容・甘受」が、ただのネガティブな諦めではなく、静かで落ち着いた諦めを表すということです。
怒りや悲しみが爆発するわけではなく、 「仕方ない、こうなる運命だったのだろう」 と、どこか達観したような諦め。
そうしたニュアンスが、”sense of resignation” にもつながり、どうにもならない状況に対して、怒ったり抗ったりするのをやめ、「それが現実だ」と静かに受け入れている心の状態、つまり
「諦めの境地」「無力感」「甘受(かんじゅ)する気持ち」
となります。
では、”senase of resignation” はどんな場面で使われるのでしょうか。
例文
After years of working overtime without a promotion, a sense of resignation set in.
「何年も昇進なしで残業を続けた末、彼の中に諦めの境地が定着してしまった。」
There is a growing sense of resignation among the citizens about the economic situation.
「経済状況に対して、市民の間には諦めのムードが広がっている。」
She looked at him with a deep sense of resignation and said, “Goodbye.”
「彼女は深い諦めの色を浮かべて彼を見つめ、”さようなら”と言った。」
He accepted the doctor’s diagnosis with a calm sense of resignation.
「彼は医師の診断を、穏やかな悟りの境地で受け入れた。」
「諦める」と聞くと、”give up” が思い浮かびますが、この2つには決定的な違いがありました。
- Give up:途中で投げ出す、挫折する(ネガティブ、または感情的なニュアンス)
- Sense of resignation:抗えない現実に対して、静かに、時に冷徹にそれを受け入れる(感情の起伏が穏やか、または冷めきっている状態)
これを踏まえあらためて上の例文を見てください。個人の力ではどうしようもないことを、バタバタと暴れるのをやめて、静かに受け入れる静かな心の動きがより感じられませんか?
では、”sense of resignation” のニュアンスを十分に感じながら今日の文を訳したいきたいと思います。
“The sense of resignation that ‘all we have is tea’ has successfully transformed into a feeling of pride that ‘what we have is tea,’” said Kenji Morimoto,
「”私たちにはお茶しかない”という諦めの気持ちが、”私たちにはお茶がある”という誇らしい気持ちに見事に変化した。」とモリモトさんは言う。
「お茶の京都」のホームページを見てみると、美しい景色と美味しそうなグルメが目白押し。
どうです皆さん、今度のお休みは
「そうだ京都、行こう」
京も、いや間違い、今日もお付き合いいただきありがとうございました。
See you tomorrow.